古物商許可は、中古品を買い取り、販売するための許可です。家庭の不用品を廃棄物として回収する根拠にはなりません。家庭ごみの処分では、市区町村の一般廃棄物処理業の許可または委託を確認します。
まず、手放す品を「売る物」と「処分費を払って捨てる物」に分けましょう。次に、処分する物を回収する業者について、依頼地域の自治体が示す許可業者名簿や窓口で確認します。
サイトやチラシに古物商・産業廃棄物の許可番号があっても、家庭ごみを回収できるとは判断できません。許可の対象が依頼内容と合わない、自治体で確認できない、書面の内訳が曖昧な場合は、搬出前に依頼を止めてください。
- 中古品として買い取ってもらう
- 家庭の廃棄物として処分する
- 事業活動から出た廃棄物を処分する
古物商許可と廃棄物収集運搬許可の違いを先に整理
古物商許可は、古物営業法にもとづく許可制度です。廃棄物の適正処理を目的とする一般廃棄物・産業廃棄物の制度とは、対象も確認先も異なります。
3種類の違いは、次の表で確認できます。特に家庭の片付けでは、古物商や産廃の許可番号だけで判断しないことが大切です。
| 許可・区分 | 主な対象 | できること | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 古物商許可 | 再使用する中古品 | 買取・販売・交換 | 公安委員会の表示 |
| 一般廃棄物 | 家庭ごみ・事業系一般ごみ | 許可・委託範囲の収集運搬 | 市区町村 |
| 産業廃棄物 | 事業活動由来の法定20種類 | 許可品目の収集運搬 | 都道府県・政令市等 |
名称ではなく、品物の扱いと許可の対象が一致するかを見ます。同じ業者が買取と処分の両方を案内していても、それぞれの根拠は別に確認します。

家庭の不用品処分で必要なのは一般廃棄物の許可・委託
家庭から出る家具、家電、片付けごみを廃棄物として回収するには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可、または市区町村からの委託が必要です。自治体回収へ直接申し込む方法も含め、地域の案内を先に確認します。
エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクル法の対象です。品目とメーカーを確かめ、販売店または自治体が案内する家電リサイクルの引渡し方法を確認してください。
古物商許可は買取・販売のための許可
古物商許可には、廃棄物として処分するための収集運搬は含まれません。再使用できる品を査定し、中古品として買い取る取引と、処分費を受け取って運ぶ業務は分けて考えます。
買取だけを依頼する場合は、業者サイトの公安委員会名、許可証番号、氏名または名称を確認します。ただし、その古物商表示があっても、家庭ごみを処分目的で回収できる証明にはなりません。
産廃許可だけでは家庭ごみを回収できない
産業廃棄物収集運搬業の許可は、事業活動に伴って生じた法令上の産業廃棄物が対象です。産廃許可や古物商許可だけでは、家庭の廃棄物を回収できません。
「許可あり」という表示だけでは、どの許可を指すか分かりません。家庭の処分を頼むときは、一般廃棄物の許可または委託と、依頼地域・対象品目が合うかを自治体へ確認します。
一般廃棄物と産業廃棄物は排出元だけで決まらない
一般廃棄物は、産業廃棄物以外の廃棄物です。産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃プラスチック類や金属くずなど法令で定められた20種類を指します。
そのため、事業所から出た物がすべて産業廃棄物になるわけではありません。紙くずや木くずなど一部の品目は、排出した業種によって産業廃棄物か事業系一般廃棄物かが変わります。
オフィスや店舗の片付けでは、品目、材質、排出した事業、処分先を伝え、自治体または都道府県・政令市等の担当部署へ区分を確認してください。「会社のごみだから産廃」とだけ決めるのは避けます。
不用品回収業者へ依頼する前の3ステップ
許可証の名称を眺めるだけでは、依頼内容との一致を判断できません。次の順に品物、自治体情報、書面を照らし合わせます。
- 売る物と処分する物を仕分ける
- 自治体の名簿・窓口で許可や委託を照合する
- 見積書で買取・回収・処分の内訳を確認する
1.売る物と処分する物を分ける
再使用できる家具や家電は買取候補、壊れた物や値段が付かない物は処分候補として分けます。見積もり時には、買取する物と処分する物を分けて説明してもらいましょう。
「まとめて引取り」と書かれている場合は、各品目を買い取るのか、無償で譲り受けるのか、処分費を受け取って回収するのかを尋ねます。口頭だけでなく、品目別の扱いを書面に残します。
2.自治体の名簿・窓口で許可や委託を照合する
業者名、許可番号、営業所所在地、依頼地域、対象品目を控えます。自治体公式サイトの許可業者名簿を探し、見つからない場合は廃棄物担当窓口へ、許可または委託の有無を確認してください。
名簿に掲載されていても、家庭系ごみを扱わない、品目が限定される、依頼地域が対象外という場合があります。会社名の一致だけでなく、今回の回収範囲まで照合します。
3.見積書で買取・回収・処分の内訳を確認する
見積書には、買取品と金額、処分する品目、運搬費、作業費、追加料金の条件を分けてもらいます。回収後の引渡先や処理方法について質問し、業者の回答と契約書、領収書を保存してください。
当日に品目や料金が変わった場合は、変更理由と総額を書面で確認してから判断します。説明が曖昧なまま積込みを始める業者には、その場で品物を渡さないことが大切です。

許可表示があっても依頼を止めるサイン
許可番号は重要な確認材料ですが、番号があるだけで家庭ごみを回収できる業者とは判断できません。次の状態では搬出や支払いへ進まず、自治体へ確認します。
- 家庭ごみの処分なのに、古物商または産廃の許可番号だけを示す
- 一般廃棄物の許可・委託先や回収後の引渡先を説明しない
- 見積書を出さず、積込み後に料金を確定すると案内する
- 依頼地域や対象品目を確認せず、何でも回収できると断定する
「無料回収」という言葉だけで、直ちに違法とは断定できません。ただし、運送費や手数料などを支払うなら、実態が処分目的の回収ではないかを確認します。買取額が付く品と、費用を払う処分品も分けてください。
不用品処分は「売る物」と「捨てる物」を分けて確認しよう
古物商許可は中古品の買取・販売、一般廃棄物の許可・委託は家庭ごみの回収、産廃許可は事業活動由来の法定20種類の収集運搬に関わります。似た番号が並んでいても、役割は同じではありません。
仕分け・自治体照合・見積書確認の順で進めましょう。許可・委託と対象範囲を確かめ、見積書には買取、回収、処分、追加料金の内訳を残します。
区分が分からない品物や事業ごみは、材質、排出場所、数量、希望する処分方法を整理して、自治体または都道府県・政令市等の担当部署へ確認してください。確認記録を残してから、依頼先を決めると安心です。

