不用品回収を業者に依頼したあと、壁や床に傷がついていることに気づいた。
そんなとき、「言っても『最初からあった傷』と言われそう」と泣き寝入りしてしまう人は少なくありません。
でも、作業前に写真を残し、補償内容をひと確認しておくだけで、トラブルになったときの対応力は大きく変わります。
搬出当日にやるべき写真記録のポイントと、業者への補償確認事項をここからまとめます。
「プロ業者なら安心」が通じない、保険未加入業者が存在する現実
不用品回収を依頼するとき、「ちゃんとした業者に頼めば補償してもらえるはず」と思いがちです。
ところが、公的機関の調査では、不用品回収サービスに関するトラブル相談が全国で多数報告されており、その中には「作業中に壁を傷つけられたのに対応してもらえなかった」というケースも含まれています。
専門業者によると、不用品回収業者の中には損害賠償責任保険に加入しているところもありますが、補償の上限額や免責条件は業者ごとに異なります。
チラシや軽トラ巡回で営業する格安業者の中には、そもそも保険に未加入のケースも存在するのが現実です。
依頼前に「賠償責任保険に加入しているか」「建物破損も補償対象か」を必ず確認してください。
口頭で聞くだけでなく、見積書や契約書に補償内容が記されているかどうかも確かめておきましょう。
あわせて、市区町村から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者かどうかを調べておくことが、悪質業者を避けるための基本的な判断材料になります。
搬出前に必ず撮っておく、写真記録の具体的なポイント
「写真を撮っても意味があるのか」と感じる方もいるかもしれませんが、記録の有無は補償交渉の行方を左右することがあります。
搬出トラブルの対応事例をまとめた情報でも、作業前後の写真・動画を残しておくことの重要性は繰り返し指摘されています。
撮影しておくべき場所と撮り方のポイントをまとめると、次のようになります。
- 作業前(ビフォー)に撮影すべき場所は、室内の壁全体・床・建具(ドアや引き戸)・廊下・エレベーター内部・共用部の壁と床です。日付が残るよう、スマホの標準カメラか、時刻表示のある動画記録が役に立ちます。
- 作業中・直後に傷を見つけたら、その場で写真・動画を撮影し、業者の担当者に現認させましょう。「この傷は作業中についたもの」と確認できるメモや書面に一筆もらえると、後の交渉がスムーズになります。
共用部(エレベーターや廊下)の傷は、管理組合やオーナーから別途修繕費を請求される可能性があります。
室内だけでなく共用部もしっかり記録対象に含めておくことが大切です。
養生と搬出ルートの確認が、傷を防ぐ最初の一手
壁の傷は、そもそも発生しないに越したことはありません。
搬出トラブルの事例を見ると、養生シートを敷かないまま作業した結果、壁や床が傷ついたケースが繰り返し報告されています。
見積もりの段階で「どこまで養生してくれるか」を確認し、可能であれば見積書に明記してもらいましょう。
また、大型家具や家電をそのまま運び出す場合、廊下の幅や階段の角度によって傷のリスクは大幅に高まります。
電話やオンラインだけの見積もりでは搬出ルートの状況が把握されないこともあるため、現地確認をしてもらった上で作業計画を立ててもらうのが、傷トラブルを未然に防ぐ基本です。
賃貸住宅の場合、壁の傷はだれが負担するのか
賃貸で不用品回収を依頼する人にとって、退去時の原状回復費用も気になるところです。
国土交通省のガイドラインによると、借主が負担するのは「故意・過失・通常の使用を超える損耗」に限られており、経年劣化や日常的な使用による変色・汚れは貸主負担が原則とされています。
一方で、搬出作業で生じた床のひっかき傷などは、ガイドライン上、借主負担の例として挙げられるケースがあります。
つまり、不用品回収業者のミスで傷がついた場合でも、まず借主が管理会社・オーナーへ対応し、その後業者に費用を求める流れになることも考えられます。
こうした場面でも、写真記録と業者との書面確認が大きな意味を持ちます。
傷がついてしまったあと、取るべき行動の順番
万が一、搬出時に壁や床の傷が発生したときは、落ち着いて次の手順で動きましょう。
まず、その場で写真を撮り、業者の担当者に傷を確認させます。
担当者の名前と、その場でのやり取りの内容をメモしておくことが後々役立ちます。
次に、業者と修繕・補償の方法について話し合い、合意した内容を書面やメールで残します。
口約束だけで終わらせないことが肝心です。
それでも解決しない場合は、最寄りの消費生活センターや国民生活センターへの相談が選択肢になります。
公的機関によると、不用品回収や引越に関するトラブル相談はこれらの窓口で受け付けており、業者との交渉が難航した際の助言・あっせんを受けることができます。
まとめ:泣き寝入りを防ぐ、搬出当日のチェックポイント
搬出時の壁の傷トラブルで泣き寝入りしないために、やるべきことはシンプルです。
業者への事前確認として、賠償責任保険の加入と補償範囲・養生の範囲・見積書と契約書の有無・市区町村の許可の4点を依頼前に押さえておきましょう。
当日の写真記録として、作業前に室内・共用部の壁・床・建具を撮影し、傷が発生した場合はその場で写真を撮って担当者に現認させることが、後の補償確認で大きな根拠になります。
「プロに頼めば大丈夫」という思い込みは禁物です。
保険や養生の確認と写真記録を習慣にしておくことが、搬出時の壁の傷トラブルから自分を守る、最も確実な手段です。

